コラム
M子の編集マン奮闘記#001
M子の編集マン奮闘記#001
★クイズ、これは何の画像でしょうか?ケント紙をセロハンテープで継ぎ接ぎしているように見えます。……ベテランの漫画家さんや漫画編集者ならばすぐ分かりますね。
そう、正解は作画された漫画原稿用紙の裏側。ペン入れなどで失敗したイラストの部分を切り飛ばし、裏から同じサイズの紙をあて、新しく書き直しされている箇所です。デジタル作画が発展普及した現在ではお目にかかる頻度もすっかり減りました。この原稿自体も10年以上前のもので紙は日焼け、セロテープも経年劣化で黄変、粘着力も弱まっています。製版所さんに言わせれば、トーンの糊の剥がれや、下描き線・墨汁以外のマーカーなども経年で滲んでしまっている箇所もあるので古い原稿はキレイに読めるようスキャンするのが一苦労といったところかもしれません。作家さんの手を離れてからも沢山の工程を経て読者さんの目の前に届く漫画の1ページ。これらの工程は今よりもっと後にロストテクノロジー、失われた技術となるかもしれません。私はそういったテクニックを知ったり眺めたりたまに自ら行ってみたりするのが大好きです。関わることが出来るのが嬉しくて楽しくてしょうがない、ある種のフェティシズムかもしれません。こういった事は、後の世に語り継いでいきたいなと思います。